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JAPAN ECONOMIC REPORT
06.05.31
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日本経済最前線の視点から、理論ではなかなか学べない日本経済の現状や見通し
を分かりやすく説明する無料マガジンです。(読者数約30000名、通巻595号)
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ご無沙汰しております。約6ヶ月ぶりの発行となりました(引き続き、600号
への道のりは遠い。。)。
この6ヶ月間で何をしていたかというと、仕事の関係上、アメリカのロサンゼル
スに来ておりました。それも出張ではなく、赴任ですので4〜5年程度は、家族
とともにアメリカで暮らすこととなります。我が家の家計の資金の流れも大きな
変化が。通勤用と家族用に車を二台購入。家具・家電を購入。ひたすら出費がか
さんでおります。。。
引き続きご愛読いただいていただいている方には、本当に感謝しております。発
行から8年が経過しましたが、この間、私は国内・海外問わず旅行の都度、読者
の方にもお会いしてきました(色々な場所に連れて行ってもらいました)。逆に
読者の皆様がこちらに来られる時には、ご案内できればなぁと思いますので、そ
の際は是非ともご連絡下さい。
この週末は、当地の祝日メモリアルデーにより三連休。小売業界にとっては、夏
物最後のセールのタイミングというイメージでしょうか。これまで、生活設営と
仕事で週末もなかなかゆっくりと過ごすことができませんでしたが、せっかくの
連休ですので、ロサンゼルス近郊の有名観光エリアを家族を連れて回ってきまし
た(ハリウッド、ビバリーヒルズ、サンタモニカなど)。 【編】
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■資金の流れの変化・その後
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6ヶ月前の号では「資金の流れの変化」として銀行の信用創造、景況感への好影
響の動きを述べさせていただきましたが、振り返ってみれば、やはりこの6ヶ月
間の間に、株高・債券安(金利上昇)・円高という教科書通りの動きが示される
こととなりました。厳密には、株価の方は既に先行して上がっていましたから、
それに遅れる形で金利が徐々に上昇してきたといった感じでしょうか。
長期金利の上昇も、ちょうど先行して水準が切り上がっていた日経平均の動きに
ようやく追いついた格好となりましたので、そろそろ一服といったところでしょ
う。日銀の金融政策については「当座預金の削減を終えることとゼロ金利からの
脱却とは全く別の問題」と日銀総裁が講演の中で述べたことから6月のゼロ金利
解除観測は後退しましたが、いつ解除されても特段違和感のない市場環境にはな
っていると思います。
ここ1ヶ月間の動きに絞ってみると、急激な円高/ドル安が目を引くところです。
最近のドルが下落した背景としては(1)アメリカ政府がドル安政策を採用した
のではないかとの思惑が市場で浮上したこと、(2)日米金利差拡大が一巡する
可能性が強まったこと等が挙げられますが、現実的にはアメリカがドル安を止め
る意思がないとは考えにくいでしょう。ドル安は不振の自動車メーカー等の輸出
企業に恩恵を与えることになりますが、貿易収支が赤字のアメリカではデメリッ
トを受けるセクターの方が大きいわけであるし、また、アメリカは各国からの投
資により成り立っているものであり、インフレ懸念により資金がアメリカから遠
ざかっていくことをなんとか防がないといけないという気持ちが強いはずです。
とはいえ、特に神経質なポリシーを持っているわけでもなく、110〜112円
近辺が「ただなんとなく」心地よい水準なだけなのかもしれません。
であれば、政策的な話を無視して単純に考えてみましょう。たしかにアメリカの
インフレ懸念は強い。とはいえ、いくらそうであったとしても、やはり日本とア
メリカの金利が大きく乖離しており、アメリカなど海外の金利の上昇余地がある
という状況では、高金利のドルを売り続け低金利の円を買い続けていくのは、心
理的に抵抗があることでしょう。110円を割れた後に強まったドルの買い戻し
は、まさにそういうマーケット参加者の心理を反映したものとも言えます。
とりとめもなく書きましたが、話を「銀行の信用創造の動き」に戻します。
ここ最近の銀行の決算発表を見ても分かる通り、バブル崩壊後の大手銀行の不良
債権処理問題は完全に集結したと言い切ってもよいと思います。引き続き、銀行
の貸出需要は強く、これが企業の投資活動にもポジティブな変化をもたらしてい
くものと思います(企業の財布の紐が緩んでいく)。加えて、バーゼル2(新B
IS規制)が本年度より導入されることも、銀行の貸出態度の変化に影響を与え
る要因となるものと思います。この新BIS規制の話については、詳しくは日銀
のホームページに説明されておりますが、次回本誌でも説明したいと思います。
【編】
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